オバマ大統領を振った職人の心意気！！池波正太郎が絶賛したミシュラン２つ星「てんぷら近藤」～銀座

「てんぷら近藤」


２０１４年４月２３日、
安倍晋太郎首相は来日したオバマ大統領と
ミシュラン３つ星の銀座の高級寿司店「すきやばし次郎」にて、
「すし外交」を行ったことで
大きな話題となった。

http://magatere-inshokuten.blog.so-net.ne.jp/sukiyabashijiro01

ところがだ。

オバマ大統領側からのリクエストであったにも関らず、
オバマ氏は「人生で一番うまい」と賞賛したものの、
大好物のはずの寿司を半分しか食べなかったということだ。


今回の来日はかねてからの課題であった「TTP」問題が絡んでおり、
双方ともに力が入っていたので、
さもありなんとは思えるのだが、
実は。。。


今回のオバマ大統領に対する「おもてなし」の場としては、
同じく銀座の名店「てんぷら近藤」が考えられていたのだ。


ここはミシュランの２つ星で,
１人前が約２万円かかるという銀座でも屈指の高級店である。


４月６日に来日していたオーストラリアのアボット首相をもてなした安倍首相は、
会場の迎賓館に「てんぷら近藤」の主人・近藤文夫氏を呼んだ。

この天ぷらが大好評だったのだ。



「今回も外務省から打診があったのは事実。
けど、
オレがペラペラしゃべるわけにはいかないねえ」

と、口を開かない近藤氏に替わって説明する知人によると、

「打診があったのは、
オバマ来日の２週間前。

外務省の担当者は料理を提供する場所や、もてなす相手も告げず、
＜２３日に（天ぷらを）揚げてくれないか＞とだけ伝えたそうです。

近藤の主人は
＜相手はオバマさんかな＞
とピンと来たそうですが、
２３日は平日で、
すでに９０人分の予約が入っていたのです」



オバマ大統領に天ぷらをもてなす場所が、
店なのか、首相官邸などの出張なのか、
その時点では、
それも伝えられてはいなかった。


しかし、
出張ともなれば、
準備が大変なことになる。


６日の夕食会のときも、
始まりは午後６時だったのだが、
午前９時から仕込みを始めて、
食材や調理器具一式をワゴン車１台に詰め込んで、
出張先に運び入れなければならない。


この日はちょうど店の休日である日曜日だった。


しかし、
今回は４月２４日で火曜日だ。


店を閉めてまでは出来ないということで、
近藤氏は断ったのだ。

「ウチには数カ月前から予約した客がみえる。

いくら大統領のためでも、
予約客を帰らせるわけにはいかねえ」


さすがに銀座の職人だ。

あっぱれ見事な心意気ではないか！！





http://www.nippon.com/ja/people/e00012/?pnum=1

近藤 文夫KONDO Fumio

1947年、東京都生まれ。

1966年、高校卒業後に東京・御茶ノ水にある「山の上ホテル」に就職。

「てんぷらと和食 山の上」で板場に立つ。

弱冠23歳で料理長に就任。

以後21年間、料理長を務める。

1991年に独立、
銀座に「てんぷら近藤」を開店。

山本健吉，遠藤周作，井上靖，
水原秋桜子，安岡正太郎，草野心平，土門拳氏など、
多くの文化人が通った。


中でも縁が深かったのが、
食通の大作家、かの池波正太郎だ。


天ぷらは独学だったが、
自分で本を読んで勉強し、
試行錯誤を繰り返した。

常連だった池波正太郎がその腕を認め、
最高の料理人だと絶賛した。

「先生からはいろいろなことを教わりましたが、
印象に残っているのは
『天狗になったらおしまいだよ』
という言葉ですね。

『周りからほめられると、
自分が一番だと思って成長が止まってしまう。

だから天狗になるな』

と忠告してくださいました。

今でもその言葉はしっかり胸に刻んでいます。

先生の言葉を忘れないように、
仕事着の胸のところに、
先生が書いた文字で店名を刺繍してあるんですよ。

先生が
『おいしい』
と褒めてくださった天ぷらの質を落とさないように、
そして、
先生を通じて得た信用を失わないように、
今もこの言葉を胸に抱いて料理をしています」


池波正太郎との共著は
『剣客商売　庖丁ごよみ』『池波正太郎の食卓』
『池波正太郎が残したかった「風景」。







「僕は先生に本当にいろいろな面でお世話になりました。

だから独立したとき、
すでに先生は亡くなっていましたけれど、
もし先生がふらりといらっしゃるとしたら銀座だろうと思って
ここに店を出しましたし、
いつ先生がいらしても恥ずかしくないように
店を整えているつもりです」


「僕が料理人として今あるのは、
池波先生のおかげ。

先生が僕に言ってくださったこと、
貸してくださったお力ははかりしれない。

そのご恩は2年や3年で恩返しできるものではありません。

僕が料理人でいる限りは、
池波先生に恥じない仕事を続ける。

その先生への感謝の気持ちを込めて、
一年の終わりにはおせち料理を作り、
先生のお宅へお届けする。

それが僕のつとめなのだと思います」





Osechi Ryōri—Top Tempura Chef Kondō Fumio | Nippon.com

https://www.youtube.com/watch?v=9RnaTHk3a1g



池波正太郎家に４０品にも及ぶおせち料理を届けて、
もう３０年だ。

お線香をあげ、
未亡人と話をして、
そして、
近藤文夫のその年の仕事が終わるのだ。




http://www.nippon.com/ja/images/i00007/





http://ikenami.info/



Amazonで池波正太郎


近藤文夫はこう語る。

「僕にとって、
天ぷらは料理の最高峰です。

ホテル時代は日本料理の店にいたので、
天ぷらだけでなくいろいろな和食を作りましたが、
天ぷらは煮ることでも焼くことでも引き出せない素材の旨味を、
2倍にも3倍にも引き出すことができる料理なんだと気づきました。

だから、
ほかの調理法で作ったものよりも、
その素材をおいしいと感じてもらえなければ、
揚げる意味がない。

そう思って、
今も天ぷらを作り続けています」





Top Tempura Chef Kondō Fumio | Nippon.com

https://www.youtube.com/watch?v=Zh48r01p2ws#t=27

また、
近藤文夫は「料理は愛情」と言い切る。

「天ぷらとは
素材の色、味、香り、その最高の部分が凝縮されたもの。

揚げることによって，煮ても焼いてもかなわないような味を作るということ」

だからこそ、
素材にこだわる。

自ら産地に赴き、
生の野菜をかじって品質の良いものを探すのだ。





「天ぷら」といえば、
カロリーが高くて、ダイエットには不向きだと、
とかく敬遠されがちだ。

しかし、
ここ「てんぷら近藤」の天ぷらは、
なんと、
家庭の天ぷらのカロリーの半分しかないのだ。


究極の技が生み出す「天ぷら」は
軽くて、しかも最高に美味いのだ。




たかが薩摩芋の天ぷらでも、
近藤文夫の手にかかると
家庭のお惣菜からは遥かにぶっ飛んだ美味さになる。

１０ｃｍを超える切り株のような薩摩芋を
なんと３０分以上かけて、
じっくり揚げる。



オバマ大統領も食べられなかった美味なのである。



●「てんぷら近藤」

住所

〒104-0061 東京都中央区銀座5-5-13 坂口ビル9F


アクセス 　地下鉄 銀座駅 B5番出口 徒歩5分


TEL　[phone]


営業時間 　

月～土
昼食　12:00～15:00
（L.O.13:30）
夕食　17:00～22:00
（L.O.20:30）


定休日 日曜日(月曜日が祝日の場合は休み)



　　　by 食いしん坊主・たりらんらん　　　

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